タクシー料金、つまり運賃の受け渡しのし方を見るだけで、その人の程度ってのは結構知れるもんだってのに最近気がついたね。というかね、昔からそれは気が付いていたんだがその当時はサンプル数が少なかったんだよね・・・。というのも、個人タクシーになるまでは大手の法人タクシーに乗っていたんで、チケットの客が多かったから現金の客が少なかったってこともあるんだけど。
一つだけはっきり言えることはね、普段余りタクシーに乗る事のない奴に限って、たまに乗る時には腹ン中では多分清水の舞台から飛び降りるくらいの覚悟で乗ってるんだろうけど、乗ってやってるんだって態度が見え見えなんだ。で、こんな奴は降りた後で多分後悔してるだろうなって位馬鹿な事をやる奴がいるんだよ。
00/11/28
何年前の事だろう。まだ法人タクシーに乗っていたころの事なんだがね。かなり酔っ払ったホステスさんが乗ってきたんだ。この人達は乗りなれていないわけはないんだが、閉店後に乗って来る時は、それまでホステスとして客にかしずいていた反動で運転手に対してやたら当り散らすやつが多いんだね。それこそ「乗ってやってんだぞう〜」ってね。
で渋滞している路地の奥の、別のビルにある店に今度は客として飲みに行くといった様子だったんだが、途中で止まって動かなくなっちまったときのことだ。
「もういいわ、ここで降ろして。あとは歩くから・・」と怒りながらお札を放ってよこしたんだが、この当時エアコンなんてなかった時代でね。ダッシュタイプのクーラーが付いていたんだよ。夏の暑い時期だったんでそのクーラーはフル稼働の状態でね。放られたお札は風に舞って床に落ちたんだ。
あたし等、車を止めるとドアをすぐに半開きの状態にするんだが、ここへ別の客が来てね、「運転手さん、これ空きます?」なんて聞かれたもんで、「はい、すぐに」なんて答えながら、床に落ちたお札を良く見ずにおつりを出そうとしたら、そのホステスさん「おつりは良いわよ」とか言いながらさっさと降りて行っちまったんだよ。
あたしも800円くらいの料金に1000円を置いて行ったと思ったもんだから、愛想良く「ありがとうございました〜」。そして次のお客さんに「はい、どうぞ〜」。で、行き先を聞いて走り出してからね次の信号待ちの時に床のお札を拾ったんだけど、これが1万円札でね。もし手渡しされていればさ、「おつりは良いわよ」なんて言われた時に「1万円札ですよ〜?」と言えたのにねぇ〜。いや、そう言わないまでも、もっと愛想たっぷりにお礼を言ったのに・・・。
本人はいくら出した積もりか知らないけどさ、「おつりは良いわよ」と言ってたんだから頂いておきましょう。いまさら戻ったってどの店に入って行ったかも分からないしねぇ。
00/11/28
今度の話は、冬の寒い時期、忘年会シーズンもそろそろ終わりに掛かる頃のお話だ。名古屋は北から西を回って南の方に大きな川が流れている。この川の北の方は、名古屋の北の外れがちょっとあって、すぐに市外になる訳だ。小牧の北の方へお客を送ってって戻ってきた時に無線が、この川のすぐ南にある地名を呼んでいたんでね、中心部へ帰ってくれるお客だったらありがたいなぁなんて思いながら、無線に応答したんだよ。いざ、お店について乗せたお客はかなり年配の女性でね。又余り遠くない市外へ引っ張っていかれちまったんだ。様子からすると、市の中心部で飲んだ後、馴染みの店で飲み直しての帰りって感じだったね。
家の近所へついた時には、それまでかなり飲んでいたらしくって目の焦点も定まらないって風だったんだけどね。言葉もハッキリしていたし、降りて歩いて行く様も左程酩酊していると言う様子もなかったんだ。だけど、財布からお札を出す時ちょっと手間取ってるなぁとは思ったんだよ。パッと放り出したお札をチラッと見ながら、「おっと1万円札だな」と思いながらおつりを渡してね。それもきっちりとね。「ありがとうございました」なんて礼を言ってから、床に落ちたお札を拾ってみたらなんか厚ぼったいんだよ。ハンドルの前に濡らしたタオルが置いてあるんで指を湿らしてからもう一度確認してみたら、新札二枚が重なってたんだね。で、今降りたお客さんはどこに・・・ってんで回りをキョロキョロしてみたがどの家に入っていったかまるでわかんねぇ。下手に深夜に知らん家のインターホンを鳴らして怒られてもつまんないから、その場を離れたんだけどね。もし、余計に払ったって後から気付けば、無線で呼んだタクシーだからすぐ分かるはずだと思ってね。だけど何日たってもそんな問い合わせが来ない。返しに行くことも出来ず、あたしは余分に払ってくれた1万円をありがたく頂くこ
とにしたけどね。もう14〜5年も昔のこったから、時効だろ?
これらの例はきちんと手渡ししていれば、あたしも、お客も確認できたことなんだよ。なぜって、あたし等運転手がお客から手渡しでお札を受け取るところってのは前席の背もたれの位置だろう?しかも真中当たりだ。これはちょうど、ルームランプの真下の訳だから、いやでもはっきり見える位置なんだよ。あたしがいくら「雲助」だと言ってもね、明るいルームランプの真下で、お札の受け渡しをすれば誤魔化せないと知ってるからさぁ、数千円の料金の時に、千円札の間に1万円札が混じっていれば正直に言うよ。最近なんかよくあることだけど、二千円札なんてややこしいのが出てきてさ、大きさが殆ど変わんないから、お客の方もうっかり千円札と間違えて出すみたいだけど、多い分はちゃんと返してるよ。いくらあたし等が雲助でも、お札を放り投げて「さぁ、拾え!」なんてやらずに、きちんと手渡ししていれば損をせずに済んだのにねぇ。
00/11/28
今度の話は、あたしも相手も怒っていた時の話だ。実を言うと詳しい状況を覚えていねぇんだなぁ。いずれにしろ、こっちもあっちも「なんだこのやろう」って感じだったのは確かなんだけどねぇ。そりゃぁ、自分を正当化したいが為に、真実を隠すってこともあるけど、この場合は本当になぜそう言う状況になったのか、なんてことをまるで覚えていないんだ。結果だけを覚えてるって訳だよ。
いつもの駅から乗ってきた客なんだけど、告げられた行き先はこの辺に3箇所位同じ名前があるって場所だった。一つは3000円を超える場所。もう一つは2000円前後の場所。そして、その客が行きたい場所は900円も掛からない場所。その地名だけを言われれば、その3つのうちのどれかを確認するわけだ。多分その確認がその客にとっては嫌味と取れたのかもしれない。あたしも嫌な客の場合はそれこそ嫌味たっぷりに、一番近い○○ですかなんて聞くこともあるからね。
で、一応どこへ行きたいのかが、分かったので走り出したわけだ。目的地へ付いたのでドアを半開きにしてから、料金を言って手を出したんだけど、その客はもう降りて行って客席にいないんだよ。あたしも慌ててね「お客さん、料金」って怒鳴ったんだ。するとね、その客は「ちゃんと払った」と言うんだ。「まだもらってませんよ」と怒ったらね、戻ってきて「背もたれ越しに放った」と言うんだ。で、あたしも助手席のロックを解除して「どこに置いたんですか」と聞いたら、頭を突っ込んできて「この辺に有るはずだ」と運転席と助手席との間に置いた箱をひっくり返したりしながら、一所懸命探してる振りをしてやがる。あたしにとってはそう言った箱だって中に大事なもんが入っているんでね、気安くひっくり返す様子を見ながらますます頭に来てね、警察に連れて行こうと考え始めた時、あきらめた様子でまた財布を出して千円札を一枚放り出したんだ。料金さえもらえば客だから、それで怒りを収めていつもの駅のタクシー乗り場に戻ったんだが、喉が乾いたもんで車を降りて缶コーヒーを買って席へ戻ったらね、丁度尻の下に当たるあたりに細かく畳んだ千円札が落ちていたんだよ。さっきの
客が放ったと言うのはこれのことかとその時始めて気が付いたんだが、きっと、背もたれと背中の間に挟まっていたんだろうな。だけどね900円足らずの料金に千円札二枚を払うことになった彼を気の毒とは思わないよ、あたしは。 あたし等だって乞食じゃぁないんだから、正当な仕事をした報酬をもらうのに放り投げられて、「さぁ、ひろえ」だなんて冗談じゃぁねぇってわけだよ。ったくたまにしかタクシーに乗らねぇってぇ奴等は、自分が神様だと思ってるから飛んでもねぇことぉしやがる。こう言う時にあたしが腹ん中で相手をののしる言葉はいつもの決り文句だ。「ったく、田舎もんが・・」
| あたしはよく腹ん中で「田舎ものめ!」と言う。うっかりすると実際に口に出したりする事もある。悪い癖だとは思ってるんだがね。これはこの名古屋へ来てから身についた癖なんだよ。あたしが以前勤めていたある会社は人使いの荒い会社でさ、あたしもいろんなとこへ飛ばされたんだけど、大きな敷地が必要な会社だったんで、本社も支社も支店も、どこへ行っても田舎にあったんだ。だけどねぇ、本当に田舎の人はさ、いい人ばっかりなんだよ。だから、名古屋より田舎にいたのに、そういうとこの人を「田舎もん」だなんて思ったことも、なければ、まして言ったことも無かったよ。 田舎から出てきてもう10年も経つってのに、都会の常識が身につかないなんて困った奴がいるだろ? それより悪いのは、都会に生まれて都会で育っていながら、都会の生活、常識が見につかねぇって奴だ。で、あたしが「この田舎もんが・・」っていうのはこう言った連中に対して言ってるわけだ。勿論「田舎からきましたか?」とか「何年くらいこちらへ住んでますか?」なんて一々確認しているわけではないけどね。乗るまでの態度や、車内での会話なんかからある程度察しがつくわけだ。 上の文章の最後の言葉に対して田舎の人からクレームがついちゃぁまずいんでね。ちょっと言い訳をしておこうってわけだ。 |
00/11/28
可愛い女の子が乗ってきた。降りる時になってお札を出したんだよ。で、あたしもおつりをきっちり数えて背もたれ越しに手を伸ばして渡そうとしたんだが、指先がなんだか硬いもんにぶつかったんだ。
あたし等運転手は御釣を渡す時の方法に二通りの方法がある。一つは右手で身体を捻って渡す方法。だけどこれは若い女の子には嫌われるんだ。なぜって、身体も顔も後ろを向くだろ? しかも手元を見ようとするとね、その視線の延長線上には太ももが合ったりするわけだ。 もう一つは左手でね、背もたれを越すために身体を右に反らして渡す方法だ。
どちらの方法であっても手の先は背もたれの先にあるので、摘んでる小銭が相手の手の上にあるかどうかなんてのは良く分からないもんなんだよ。分かるように覗きこむわけにも行かないしね。だから相手の手に振れたと思った時に摘んでる指を開くのだが、それが手のひらからそれている時には床にばら撒いちゃうこともある。客の中には既に体の半分以上が車体から出ていて、手だけをこちらへ伸ばしているなんてのもいる。顔がこちらを見ていない上に、こちらからも相手の手が見えないから、これも床にばら撒くことになる。
この時の女の子は、ちゃんと車内でシートに座った状態でこちらを見てるから、床にばら撒くことはなかったんだが、なんか変なんだよ。で、相手の手のほうを良く見たらね、がま口を両手で持って開いた状態で構えていたって訳だ。硬いものに当たった感触は、がま口の口金だったって訳さ。こんな経験は今までに1度しかないがね。
00/11/29
今度の話はね、上の話の逆なんだ。こんな経験もこの女の子が最初で最後だね。
まだ若い子だったねぇ。多分学生か社会人のなりたて位だろうか。目的地に着いてね、あたしが料金を告げたらさ、「あ、運転手さん手を・・・」って言うんだよ。あたしもなんのことかよく分からなかったんで、言われるままに手のひらを上に向けて背もたれ越しに伸ばしたわけだ。するとね、がま口を開いておいていきなりそれをあたしの手の上で逆さにしたもんだ。中に入っていた小銭が手のひらの上へ全部吐き出されたんだが、その女の子は指先でね、あたしの手のひらに乗ってる小銭を勘定始めてさ。くすぐったいなんてもんじゃぁない。で、最後に「よかったぁ丁度有ったぁ」だと。足りなかったらどうするつもりだったんだろうねぇ。
00/11/29
あたしがよく仕事をしてるとこには変わった客が多い。「とんぼじゃぁねぇんだよ」でも書いたけど、あたし等だって人間なんだから、前を向いた状態で後ろが見えるわきゃぁねぇってのに、そんな事も分からねぇ馬鹿がいる。かと思えば、肩の後に手が回らねぇってことも分からねぇ馬鹿もいる。
目的地に着いて料金を告げるだろ?すると、それから財布はどこだっけと捜し始めてさ。で、「まず500円と〜」とか言いながら、前席の背もたれに順に乗せてる馬鹿がいる。あたしも「こりゃぁ時間がかかんな」なんて思いながらね、日報を書き始めたりするわけだ。ところが書き終わってもまだ財布の中をジャラジャラと引っ掻き回していやがる。「おいおい、いやがらせかい? そんなに嫌がらせをされるような事を俺が何時したってんだよ〜」なんて思いながらね、まだ日報を書いてる振りをしてるとさ、やっと「運転手さんここに置きましたから」とか言い出す。ちょっと待てよ、そんなとこに置かれて手が届くかよ。 これはね、実際に自分ちのソファでやって見りゃぁ分かると思うんだが、肩のすぐ後ろに置かれた小銭をこぼさずに取るのは右手でも左手でも大体無理なんだよ。これこそ最高の嫌がらせだね。こぼさずに取ろうとするならね、一旦車から降りて、頭から車の中に突っ込むような格好で取るか、あるいは運転席の背もたれだけをリクライニングさせて取るか・・どっちかだろうなぁ。だけどもっと簡単な方法はね、知らん顔でね、前を向いたまま普通にお金を受け取る時のように
手を後ろにさっと伸ばすんだよ。するとさ、背もたれの上に置いた小銭は半分以上が下に落ちるからね、「あれ? 足りませんよ」。
道理の分かりそうな客の場合は、「お客さんこれってどうやって取ればいいんですか?」って手を曲げたり伸ばしたりして苦労して見せれば、「あら、ゴメンナサイ。それじゃぁ取れないわよねぇ」なんて言いながら手渡してくれたりするんだけどね。たこやいかみたいに手足がくねくね曲がるんならともかく、手首が360度回ったりしない限り、普通の人には取りづらいはずだ。もしかすると、あたしだけが特殊なのかもしれないなんて思うことも有るが。もしかすると名古屋の人は手首が360度回るのが当たり前なのかも・・・・。
これと同じケースは、最近増えてきたフロント・セパレート・シートのセンターコンソールだな。中でも最近はやりのタクシー専用車の小物入れの蓋の様に、受けざらになってる奴だ。ただの蓋の場合は、左右がなだらかに傾斜しているので下に滑り落ちる事が多い。こう言うタイプの場合で小銭が足りなかったりしたら、あたしは絶対に自分では探さないね。だって自分で探して、足りなかったとするだろ。だけどそう言った場合、客は運転手に対して、「きっちり置きましたよ。運転手さん自分で隠したんじゃぁないですか?」なんて具合に、既に自分で見つけていながら足りないと言い張ってる、と言いだす。きちんと手渡ししないで置いて、足りない分まで運転手のせいにされたんではたまったもんじゃぁない。受け皿のようになってるタイプの場合はこぼれ落ちる事はないが、いずれにしても取りにくいことには変わりない。スーパーやコンビニのレジみたいな場合は向かい合ってるし、決して取りずらい場所ではないから、受け皿に置いてもいいかもしれない。しかし、タクシーの様に後ろ向きでは取りずらいし、取ろうとしてこぼれたら、どこに転がるか分からないような、しかも転がった場合探
すのが困難な場合は手渡しが基本なんじゃぁないかと思うのはあたしだけかね?
00/11/29
「予めって?」でも書いたけど、あたしが仕事をしている駅で乗る客には小銭を用意しておくなんて心がけの良い人間が少ねぇんだよな。本来こんなこたぁ心がけってぇ以前に常識なんだが、この辺ではそれが通用しねぇってんだから、後は心掛けに期待するしかねぇってぇ訳だ。
ところがねぇ、常識もねぇ、心掛ける気もねぇってぇ奴が最近どんどん増えてんだよ。つまりさ、親は教えねぇ。タクシーになんかめったに乗らねぇってぇ奴等は、なにが常識でなにが心掛けかも知らねぇって訳だ。だから600円のところに、平気で1万円札を出せるって訳さ。本人は只で乗ろうって訳じゃぁない。ちゃんと金を払うってのになにが不満なんだ位にしか思ってねぇから始末が悪い。
ついこの間、合図をしたんでドアを開けたらね、頭だけ突っ込んで「近いんですよ。10分位のとこなんですけど、1万円で御釣有りますか?」なんてこの辺の奴にしちゃぁ偉く殊勝な奴がいてね。で、確認してみたんだが、千円札が七枚しかなくって「無理ですねぇ」って言ったら「じゃぁ両替してきます」って駅へ入っていったきり10分たっても戻ってこない事があったね。
その直後に先輩から電話があってね、「今から言うことをメモしろ」ってんだ。いわれる通りに記号と数時をメモしたら「それは偽の1万円札で、その辺でも出てるから気を付けろ」と言うんだな。じゃぁさっきのは?と急に不安になっちまったけど、どっちにしろまだ乗せたわけでもねぇし、その万札を受け取ったと言うわけでもねぇんだから、まいいかってとこだな。
ま、乗る時に万札で釣があるか確認する奴なんてのは、10人(万札を出す奴の)に一人いるかどうかだよ。ところで不思議なのはね、コンビニで買い物をしてきた奴が、万札を出す時だ。よほど根性が悪いか、頭が悪いかどっちなんだろうね。1日に数十万円の売上の有るコンビニと1日に1万円から1万5千円しか売上のないタクシーのどちらに1万円札を出したら良いかなんてのは考えなくても分かるだろうと思うんだけどね。細かいのはないですかなんて聞いたって、確認もせずに「ない!」なんて奴は大抵根性の悪い方の奴だね。「ちょっと待って? あ、有ったわ。細かいのが丁度」なんてのもたまには居るけどさ。「今コンビニで細かいの全部出してきちゃった」とか、「地下鉄で切符買うのに細かいのをはたいちゃった」とか、「さっきの飲み屋で洗いざらい出しちゃった」なんてのは頭の悪い奴だ。だって、帰りに地下鉄を降りたらタクシーに乗ろうって考えてりゃぁ、その分は残しておいて、あ、小銭が足りなくなりそうだと思えば、洗いざらい出す前に大きいのを出すはずだからね。こんなこたぁ、あたしがタクシーの運ちゃんになる前の普通のサラリーマンだった時に既にわきまえてい
たよ。というこたぁ、この辺の人は35歳だったあたしより程度が低いってことかね。タクシーの運転手のことを雲助だなんて言う奴等に限って雲助より程度の低い事をやってるって訳だな。
このタクシーの運転手を雲助と言うことに付いては改めて別にページを作って書くつもりではいるんだが、タクシーの運転手を雲助にしたのは誰なんだ、と言いたいね。
00/12/01
これはあたしの台詞じゃぁない。乗ってた女たちの台詞だ。ある地下鉄の駅前を通りかかった時、数人の女が手を上げたんで乗せたんだよ。行き先の説明を聞いて走り出したんだが、その時の説明がややこしかったんで、頭の中で整理しながら走り始めたんだけどね。あたしみたいに頭の悪い奴は一度にあれもこれもってこたぁできねぇらしい。料金メーターを入れるのを忘れちまったんだよ。途中で気が付いて入れたんだがね。その女たちの言うことが憎ったらしい。「わぁ〜〜儲かっちゃったぁ〜〜」。これが普段乗りなれてる客の場合、特に他所から来た人の場合「あ、運転手さん、大丈夫。何時も利用してるから・・そうだなぁ、確か1200円くらいだよ」とか言いながらそれ相当の料金をくれるんだよ。
ところが、この女たちは払う気が全然ない。「この辺ですと大体2300円くらい掛かるんですが、メーターを入れるのを忘れたのはあたしのミスなんで、せめて2000円だけでも頂けないでしょうか」と言ったらさ、「メーターが1000円なのになんで余計に払わなくってはいけないんですか?」ときた。この時はあたしも若かったんで、頭に来てね、「分かりました。それではこの分はあたしが被ります。足をしまってください」と言ってからドアを閉めてね、又走り出したんだよ。「どこへ連れてくんですか?」なんて言ってるもんで、「もう一度最初に乗ったとこからメーターを入れて走りましょう」って言ってやったらさ、「良いわよ、出すわよ、1000円(差が)ポッチの事で・・・」と言いながら、渋々出したけどね。1000円ポッチを最初に出し渋ったのは誰だよ。
いくら渋ちんでもさぁ、メーターを入れ忘れて、表示されている料金がいつもより安いのを良いことに、それしか払わないなんてことを考える人の頭の中って、どうなってるんだろねぇ。それ相当の距離を乗ってるんだから、それに対して対価を払うのは当然の事だと思うんだけどねぇ。そりゃぁね、走り出して数百メートルのところで気が付いて、{しまったぁ}なんて時はせいぜい1メーターか2メーター(名古屋では90円か180円)だし、しょうがないかで済ます事もあるけどね。だけどもっと酷い奴が居るそうだ。あたしの同僚が乗せた客の場合、4000円くらい掛かる目的地につくまでメーターを入れ忘れていたらしいんだが、ついたらさっさと降りて行ったと言うんだ。で、「お客さん料金を」と言ったら「メーターが出ていないのに払う義務はない」と言われたって言うんだよ。さすが名古屋・・・。
このあたしの場合は、これで終わってるからまだよかったんだが、他所の会社の奴ではね新聞に書かれちまった。ここの地方紙の夕刊に電話で話を受けて記事にする欄があってさ(今でも有るんだろうか?)、そこへ電話されちまった奴が居るわけだ。電話する方もする方だが、それを受け付けて記事にする奴もする奴だな。ま、どっちも名古屋の常識で行動してるわけだろうし。ところがね、この記事にその会社のお偉いさんが謝罪してる記事が後日載ったんだよ。2000円の距離のとこを3000要求したってんなら、謝罪しなきゃぁいけないだろうけどさ〜。何で謝罪?
こう言った新聞の他、最近ではタクシー関係のホームページの掲示板に似た様な投書が載ってる事がある。なんで余分に払わなくてはいけないのかってね。メーターに出ていない余分な料金は運転手の小遣いになるのですか?なんてのも有る。こう言う場合、運転手は仕事が終わって清算する時に「メーター外」として余分に受け取った料金を別に計上するのが普通なんだが、そんなことは一般人が知るはずもないのでしょうがないだろうね。
こう言った連中にはもっと知らない事があるんだけど、ついでだから書いとくか。会社によっても違うんだが、足切りという「ノルマ」が有ってさ、これが1ヶ月単位のとこと、毎日のところがある。1ヵ月単位のところだと月の締めの時に、毎日のところだと仕事が終わるたびに、ノルマに届かなかった分を自分のポケットマネーで補なわなきゃならないことがあるって訳だ。もしノルマに達していないと、各種の手当てがカットされ、ノルマぎりぎりで達成した場合には16〜7万円くらいの手取りが合ったものが、ノルマを達成できなかった場合には手取りが13万円くらいに落ちるんだよ。もしノルマに2万円足りなかったら、2万円を補う事で、3〜4万円のダウンを防げるわけだ。つまり1〜2万円のプラスだな。
というわけでさ、メーターに出ていない余分な料金を小遣いに出来るわけないんだよね。もし2ヶ月連続でノルマを達成できなかったら、その翌月は1ヶ月間乗務出来なくなる会社も有るそうだし。そうなれば、1ヶ月収入がなくなることを考えると借金しても足りない分を補おうとする奴も出てくるわけだ。