98/12/22
あたしみてぇな、品も無けりゃ柄も悪い雲助にとっちゃぁ、お客様は「雲の上の人」ってぇそういう意味かと思っていたんだが、最近「ちと違うねぇ」と思うようになったね。つまりあたしらにとっちゃぁ確かに神さんじゃぁあるけどね。同じ神さんでもあら、疫病神だよ。もしかするってぇと貧乏神かも知れねぇが・・・。そりゃ、確かに御客さんが居なけりゃぁあたしらおまんまの食いあげだからね。奉ってるよ。不平不満は言わねぇよ。だけど腹ん中じゃぁ・・・。
言ってみりゃぁさわらぬ神に祟り無しってぇところかねぇ。ところが、嫌な客だっつったって下手ぁするってぇと長距離だってんで、1時間もおんなじ箱ん中で我慢してなきゃぁなんねぇこともあるんだから溜まったもんじゃぁねぇ。近けりゃぁ5分なのにな。
んじゃぁ、何で客が疫病神かってぇ事なんだが、これはこの地域の特性かも知れねぇな。誰もが「してやる」ってかんげぇてやがるから始末がわりぃんだよ。店屋は「売ってやる」、客は「買ってやる」。飯屋は「食わしてやる」、客は「食ってやる」。雲助は「乗せてやる」、客は「乗ってやる」。これで世の中うまく回っていくんなら、そら構わねぇよ。だけどそうは問屋がおろさねぇってもんだ。
で、この乗ってやってるってぇ客が結構多いんだよ。長距離の客が乗ってやってるんだってんならそれ程、腹もたたねぇってもんだが、近い客に限って偉そうにしやがる。ま、そのへんのこたぁおいおい書いていくんで楽しみに待っててくんな。